ADHDと仕事の実体験
ADHDで頭の中が散らかり、何から手をつければよいか分からなかった体験
やることが多い日は、忙しいというより、頭の中に複数の声が同時に流れているような感覚がありました。
分かっているのに、順番を決められなかった
一つずつ見れば難しくない仕事でも、複数の依頼が同時に来ると、急に全体が見えなくなることがありました。
期限の近い仕事、すぐ返事を求められている連絡、途中まで進めた作業。どれも気になり、どれも放置できないように感じます。その結果、一番重要な仕事へ集中するのではなく、目に入った作業を少しずつ触り、どれも終わらない状態になりました。
周囲から見れば「優先順位をつければよい」だけかもしれません。しかし当時の私には、その優先順位を決める作業自体が大きな負担でした。
書き出しても、安心できなかった
忘れないようにメモを増やしました。付箋、手帳、スマートフォン、パソコンのメモ。記録する場所が増えるほど、今度は「どこに何を書いたか」が分からなくなりました。
タスクを書き出すことは必要でしたが、私の場合は、書き出すだけでは不十分でした。期限、重要度、所要時間、誰かを待たせているかが混ざったままだと、一覧が増えても判断できなかったからです。
今なら、四つに分けて整理する
- 今日中に他人へ返事が必要なもの
作業完了ではなく、まず現状だけ伝えるものを分けます。 - 期限が決まっているもの
期限と必要時間を並べ、着手日を決めます。 - 五分以内で終わるもの
小さな作業をまとめて処理します。 - 一人では判断できないもの
抱えず、確認事項として人に渡します。
重要なのは、頭の中だけで全部を並べ替えようとしないことでした。判断基準を外に出し、迷う回数を減らす必要がありました。
能力だけでなく、環境にも左右されていた
割込みが多い、口頭依頼が中心、優先順位が頻繁に変わる環境では、混乱が強くなりました。一方で、依頼が文章で残り、締切と優先順位が明確な環境では、同じ私でも動きやすさが違いました。
すべてを「自分の注意力が足りない」で片づけると、必要な環境調整が見えません。自分の工夫だけでなく、仕事の渡され方や確認方法も整理する必要がありました。
ADHDそのものの特徴と、生活環境によって変わる困りごとを分けて確認したい場合は、ADHDとは何かを神経発達症として整理した基礎記事もあわせてご覧ください。
働き続ける準備として、特性と対処を整理する
転職先を探す前に、自分が混乱しやすい条件と、必要な対処を言葉にすることが重要でした。発達障害に特化した就労移行支援では、特性理解、タスク管理、コミュニケーション、就職活動などを扱うサービスがあります。
利用条件や通所可能な地域はありますが、自分一人では整理しにくい場合に比較できる選択肢の一つです。
すぐに申込みを決めず、今の状態を整理する
医療、気持ちの整理、働く準備のどれが必要か迷う場合は、相談前に困っている場面をメモしておくと伝えやすくなります。
関連する実体験
仕事上の失敗と自己否定が重なった体験
失敗そのものより、自分を責め続けた負担を振り返ります。
職場に困りごとを説明できなかった体験
診断名だけでは伝わらなかったことを整理します。
サービス情報の確認先
次の一歩を考えたい方へ
発達特性や気持ちを、専門家と一度整理してみる
「自分だけでは整理しきれない」「同じことで何度もつまずく」と感じる場合は、心理の専門家と話しながら困りごとを整理する方法もあります。
Kimochiでは、ADHD・ASDなど発達特性に伴う仕事・人間関係・感情・時間管理などの悩みをオンラインで相談できます。発達特性を得意分野にする公認心理師も在籍しています。
医療との違い:Kimochiは医療機関ではなく、診断・治療・投薬は行いません。診断や治療を希望する場合は医療機関へ相談してください。